ESG 事業本部長メッセージ

電線・ケーブル事業

これまでの枠にとらわれず、自ら変化し、改革を進めながら、
社会課題解決に向けて、
さらに前へ。

常務執行役員
W&C事業本部 事業本部長
井手 兼造
電線・ケーブル事業
  • インフラ電線事業
  • 産業機器電線事業

電力インフラや各種産業を支える総合電線メーカー

1947年に創業、創業75年を超えるタツタ電線の根幹となる事業を担うのが、ワイヤー&ケーブル(W&C)事業本部です。当社のインフラ向け電線は、電力会社や原子力・火力発電所関係など重要な国内電力インフラを支えています。また、太陽光発電、鉄道、FA機器、産業用ロボット、半導体・自動車製造設備などで使われる多品種の産業用電線を製造・販売しています。

高品質・安定生産の継続、各分野向け電線・ケーブルの豊富な品揃えに加え、創業当初からの伸線、撚線、被覆までの一貫生産が、多くのお客様に長年ご愛顧いただいている理由でしょう。開発・設計・量産などの各工程でお客様のご要望にきめ細かく対応できるという当社の強みにつながっています。

社会課題解決に向けた取り組みを、様々な角度から

様々な角度から社会課題解決に向けた取り組みを行っています。

カーボンニュートラルに関わる社会貢献製品として、メガソーラー設備などで使用される太陽光発電用ケーブルを製造・販売しています。また、モビリティにおけるCO2排出量削減に貢献できる鉄道車両用ケーブルの需要も増えており、公共インフラを支える一翼を担います。長寿命が特長のFA機器・産業用ロボット向けケーブルは、当社独自の高力銅合金の特性を活かした製品で、省資源化につながっています。さらに狭所での配線に適した「かるまげ®(600V難熱・可とう性架橋ポリエチレンケーブル)」は、優れた曲げやすさで敷設時の省人化・省力化に貢献できます。

生産拠点におけるカーボンニュートラルへの取り組みについては、グループ子会社のタツタ立井電線(株)と中国電線工業(株)の両社において、使用する全ての電力の再生可能エネルギー由来電力への切り替えが2022年度に完了しています。もう一つの生産拠点である大阪工場でも再生可能エネルギー由来電力の使用比率を徐々に上げており、2025年度には切り替え完了予定です。

一方で、物流問題にも着目しています。先のメガソーラー市場が落ち着きを見せるなか、企業や住宅に太陽光発電設備の需要が全国規模で高まっています。ホワイト物流という観点からも、また短納期を実現して顧客満足度を高めるためにも、大阪工場が中心となっている物流拠点を、新たに関東圏にも設置しました。電線・ケーブルは重く体積が大きいことから、物流において負荷の大きな製品です。物流問題はサステナブルな事業経営に関わる重要な案件だと認識しています。

常にお客様に必要とされる製品を提供していくために

近年、様々な世界情勢の影響を受けるなか、電力インフラ、各種産業機器を支える電線・ケーブルを安定的に提供していくことの社会的責任をあらためて認識することとなりました。

入社当初、私は高力銅合金をはじめとした電線の導体開発や生産技術を担当後、一転して半導体業界でボンディングワイヤの技術開発や製造、営業に携わるなど、幅広く貴重な経験を重ねてきました。特にボンディングワイヤの製造工程については、徹底した効率化、低コスト化、さらに品質改善を行い、収益性を高め、一事業として今につなぐことができました。

「お客様が必要とする、差別化された製品・サービスを提供し続ける、存在価値のある会社でありたい」という信念のもと、例えば、電線やケーブルに付随する端末や周辺機器をモジュール化、またはシステム化し、新たな製品開発にチャレンジすること、また納期短縮や高度なサービスなど製品以外の付加価値を提供することを追求していかなければなりません。そのためにもお客様の要求に応え続ける集団としての意識統一や仕組みづくり(体制構築)が肝要です。これからも多角的な視点を持ち、改革を進めていきたいと考えています。

電子材料事業/その他事業

社会的責任とお客様の
ご要望にお応えするために、
培ってきたコア技術を活かす
新たな挑戦は続きます。

取締役 常務執行役員
SE事業本部 事業本部長
森元 昌平
電子材料事業/その他事業
  • 機能性フィルム事業
  • ファインワイヤ事業
  • 機能性ペースト事業
  • センサー&メディカル事業

コア技術を活かした数々の挑戦から生まれた事業

システム・エレクトロニクス(SE)事業本部は、機能性材料・ファインワイヤ・アドバンストペースト・センサー&メディカルの4事業部で構成しています。1980年代に当社の創業の礎である電線で培ったコア技術を活かし、非電線分野へ挑戦した数々のテーマの中で、時代のニーズとマッチし、市場を開拓・拡大してきた事業になります。

導電性ペーストの開発に始まり、その後、世界で初めてスマートフォン等に欠かせない「電磁波シールドフィルム」を開発・上市しました。今では、機能性フィルムは圧倒的な世界シェアを有するまでに成長しました。現在は、コア技術を他方面にも展開し、半導体分野やセンサー分野、メディカル分野へと進出しています。

社会貢献と未来を見据えた事業のポートフォリオ

環境配慮型製品への取り組みなど、サステナブルな事業を推進するための当事業本部におけるポートフォリオをお伝えします。

機能性ペースト事業は、約40年前の導電性ペーストの開発が始まりです。プリント配線基板の製造工程の一部をめっきレスのドライ工程に置き換えることができ、廃液を抑える効果をもたらす環境配慮型製品として貢献してきました。現在も更なる高機能化、ラインアップの充実を図っています。

機能性フィルム事業においては、社会やお客様のニーズからますます高性能で信頼性の高い製品が求められています。ここまで培ってきた当社の開発技術を強みに、いち早く、5G通信技術やフォルダブルフォン対応製品を開発、展開を進めています。さらに近年は、リサイクル材料という新たな取り組みに挑戦しており、再生フィルムの採用比率の向上に努めています。また、BCMS※1およびISMS※2の認証取得、維持・改善を実行するなど関連製品の安定品質・安定供給にも注力し、社会的使命を果たしていきます。

ファインワイヤ事業では、品質を維持しつつコストダウンを実現した金線から銀線のワイヤ製品を開発。すでに量産を開始し、顧客満足度の向上を目指します。

センサー事業を支えるのもやはり電線で培った技術であり、漏水検知センサーでは国内で圧倒的なシェアを占めております。RoHS2※3等の規制に準拠した部品開発など環境に配慮した取り組みも推進しています。対してメディカル事業は当社における新規事業と言えるでしょう。将来、医療機器が更なる進化を遂げていくなかで、当社が有する技術やノウハウに加え、スタートアップ企業等との協業により、メディカル分野の様々な課題解決を目指します。

  1. BCMS 事業継続マネジメントシステム(ISO22301 : 2016年度認証取得)
  2. ISMS 情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001 : 2022年度認証取得)
  3. RoHS 電気・電子機器に特定有害物質の使用を制限したEUの法律。RoHS2は特定有害物質が追加された改正指令。

機能性フィルム事業は、2022年度に実質的にカーボンニュートラルを達成

全社では、2025年度カーボンニュートラル達成を目標にしていますが、機能性材料事業部では、お客様からのご要請もあり、2022年4月、実質的にカーボンニュートラル(Scope1および2)を実現しました。さらに2022年度は、省エネは勿論ですが、タツタテクニカルセンター、仙台工場、京都工場に太陽光発電設備を増設・新設し、自家発電量を増やす創エネにも取り組みました。機能性フィルム事業が全社に先行して達成できたのは、特に電子材料事業でお取り引きのあるお客様のESG・SDGs観点からの明確かつ高度なご要望に、確実にお応えしてきたからです。今後も継続して積極的に取り組んでいきます。

また、BCP対策として主力の生産拠点である仙台工場の在庫の分散と2024年物流問題に対応すべく、関西圏の京都工場内に物流センターを構築(2024年3月完成(竣工))します。このことは工場間輸送による積載率の向上から、Scope3における輸送でのCO2排出量を削減でき、コスト削減にもつながると考えます。これからも顧客満足度を高めながら、社会に役立つ高品質の製品とサービスをお届けしていきます。

情報量の多さと開発スピードの速さがSE事業本部の強みに

今注目するのは、スマートフォン等のモバイル端末市場と自動運転化が加速する自動車市場です。市場の動きをいち早く掴むために不可欠な情報量の多さは、機能性フィルムで世界的優位に位置する当社の強みです。さらに長年にわたるグローバル企業との取り引きで培った開発スピードの速さも誇ります。

機能性フィルム事業の立ち上げから市場拡大に至るまで主導するなど自身のこれまでの経験を活かして、各事業の収益アップに向けた取り組み、さらに中長期的成長を追求する新規事業の創出に果敢に挑戦していきます。

ESGに関するお問い合わせ

総務人事部Tel.06-6721-3331

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