PFAS(有機フッ素化合物)分析
PFASとは
PFAS(ピーファス:per-and polyfluoroalkyl substances)とは、有機フッ素化合物のうちペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称です。その代表的な物質は、PFOS(ピーフォス: ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ピーフォア: ペルフルオロオクタン酸)です。
PFASは主に防水加工剤、泡消火薬剤、コーティング剤等に広く用いられています。環境中では分解されにくく、蓄積性が高い物質であり、また発がん性などから人体への健康被害が懸念されています。
現在、欧米を中心に法規制が強化されています。国内においては水道水、河川水、地下水等のモニタリング調査が実施されており、近年では暫定目標値を超える地点が多く報告されています。
当社のPFAS分析の特徴
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- 水質・土壌・排ガス・製品(材料)・産業廃棄物等のあらゆる試料への対応
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当社は、環境計量証明事業において40年以上の実績があり、また作業環境測定や材料分析等においても多くの依頼をいただいています。これらの実績に基づき蓄積した分析・採取のノウハウを活用し、水質・土壌・排ガス・製品(材料)・産業廃棄物等のあらゆる媒体のPFAS分析を実施いたします。
PFASは極微量であるため難易度の高い分析技術が求められますが、当社では極微量物質であるダイオキシン類分析の長年にわたる実績と経験があることから、PFAS分析においても正確かつ高精度の分析結果を提供いたします。
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- 試料採取
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当社は、現地での採取経験が豊富です。
PFASは極微量であるため、試料採取にあたっては高い専門知識と技術が求められます。
PFASに関する知識と測定スキルを持った担当員が採取することで、精度の高い調査が可能となります。特に難易度の高い排ガス等の採取業務においても同様に精度の高い調査が可能です。
分析事例
- 水質(河川、地下水、排水、下水、スクラバー洗浄水、海水等)
- 土壌・底質
- 排ガス(焼却炉、工場内、ボイラー等の煙道)
- 製品(プラスチック、ゴム等)
- 産業廃棄物
- 肥料
上記以外の媒体においても都度ご協議の上、検討いたします。
詳細は当社担当者にお問い合わせをお願いいたします。
主な分析方法
分析対象 | 主な分析方法 |
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水道水 | 平成15年 健水発第1010001号 別添4 |
環境水 | 令和2年 環水大水発第2005281号・環水大土発第2005282号 |
排水 | JIS K 0450-70-10:2011 |
土壌 | 土壌中のPFOS、PFOAおよびPFHxSに係る暫定測定方法(溶出量試験) |
農用土壌 | 土壌に含まれるPFASの一斉分析暫定マニュアル ~土壌採取から測定まで~ |
排ガス | PFOSおよびPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項 |
肥料 | 肥料等試験法(2023) |
分析機器
PFASの分析では、高感度のLC/MS/MSにより分析する必要があることから、当社は最新鋭の分析装置であるSCIEX社製 Triple Quad 5500+LC/MS/MSシステムを導入しています。
主な基準値
国内
名称 | PFOS/PFOA | PFHxS |
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水道水質基準 |
PFOSとPFOAの合算値として 水質管理目標設定項目に追加 目標値(暫定) 50ng/L 2020年 |
要検討項目に追加 2021年 |
水質汚濁に係る 人の健康の保護に 関する環境基準 |
PFOSとPFOAの合算値として 要監視項目に追加 指針値(暫定) 50ng/L 2020年 |
要調査項目に追加 2021年 |
海外
名称 | PFOS | PFOA | PFHxS |
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ストックホルム 条約(POPs条約) |
附属書B 2009年 |
附属書A 2019年 |
附属書A 2022年 |
REACH | - |
高懸念物質(SVHC) 追加 2013年 |
高懸念物質(SVHC) 追加 2017年 |